Looking Back with Music

収録曲
1. 3/4 Time
2. I Wish You were Here Tonight
3. Ain't Your Memory Got No Pride at All
4. Born to Love Me
5. I don't Want No Stranger Sleepin' in My Bed
6. Let Your Love Flow
7. You Feel Good All Over
8. String Bean
9. You've Got the Longest Leaving Act in Town
10. Shakin' Your Head

　レイ・チャールズは、生涯でブルース、R&B、カントリー、ジャズ
・・・と様々なジャンルの音楽を発表しました。 その幅の広さは正にThe Genius＝天才と呼ばれるに値すると思います。 そんなレイがメジャーレコード会社としてはアトランティック を皮切りに何度かレベール移籍を行っている中で 一番カントリー・ミュージックに接近していた1980年代中盤CBS/コロムビア在籍時代に移籍第一弾として発表したのが、 このアルバムです。
　アルバムの1曲目を飾るのはエルヴィス・プレスリー・ファンには エルヴィス がカバーした「ポーク・サラダ・アニー(Polk Salad Annie) 」、「君に夢中さ(I've Got a Thing about You Baby) 」「想い出の絆(For Ol' Times Sake) 」のオリジナル・アーティストとして有名なトニー・ジョー・ホワイト の提供作。 タイトル通りワルツのリズムのゆったりとした曲でカントリー・シングル・チャートで37位まで上がっています。
　アルバムタイトル曲と言ってもいい2曲目はカントリー・バラードで歌われるラヴ・ソング。
　４曲目はカントリー・チャート20位とアルバムからの最初のシングルにして最もヒットした曲です。
　5曲目は米カントリー・ミュージック界の大物ジョージ・ジョーンズ が1978年に発表したアルバム『バーテンダーズ・ブルース(Bartender's Blues) 』からのカバー。 ジョージ・ジョーンズは1994年にローリング・ストーンズのキース・リチャーズや、 トリーシャ・イヤウッド、ヴィンス・ギル、 エミルー・ハリス、ドリー・パートン、マーク・ノップラーなど豪華アーティストたちと共演した 『ブラッドリー・バーン・セッションズ (The Bradley Barn Sessions) 』というデュエットアルバムを発売しています。
　アナログB面の2曲目にあたる7曲目は1979年カントリーチャートで4位 になったT.G. シェパード のカバー。甘いラヴ・ソングです。
　8曲目は、アルバム中で唯一のソウル・アーティスト作品のカバーで 1969年のレイのアルバム『Doing His Thing』では全曲で作曲と編曲を担当しヴォーカルでも参加した ジミー・ルイスの1971年発表曲。
　9曲目は米カントリー・シンガー＝ジョン・アンダーソン(John Anderson) ※1981年の 『John Anderson 2』 からのカバー。 しっとりとしたカントリー・バラード。
※プログレッシブ・ロック・バンド＝イエスのJon Andersonとは別人。
　ラスト1曲はフィドル、バンジョー全開の典型的なブルーグラスで盛り上がってアルバムは終了です。
　レイ・チャールズは、翌1984年カントリーシンガーたちとの共演アルバム『フレンドシップ(Friendship) 』 を発表。アルバムと、そこからシングルカットしたウィリー・ネルソンとのデュエット曲 「セヴン・スパニッシュ・エンジェルズ(Seven Spanish Angels)」は 共に見事カントリー・チャート1位に輝きました。
　さらに翌1985年にはUSAフォー・アフリカ の「ウィ・アー・ザ・ワールド(We are the World) 」に参加して存在感を示しました。
　その後1990年にレコード会社をワーナーに移籍してからはR&Bチャートを中心とした活躍が続きました。
(Jan 14, 2019)