Looking Back with Music

　１９５６年のメジャーデビューから２年後人気絶頂期にアメリカ陸軍に入隊し ２年後の１９６０年に任期満了で除隊したエルヴィス・プレスリーの除隊後最初に発売したシングルです。
　３月５日に正式に除隊し２１日にレコーディング２日後の２３日にはシングル発売というスピードからは レコード会社やファンがエルヴィスの新曲を如何に待ち望んでいたかが良くわかります。
　シングルは当然大ヒットし全米１位を４週間続けました。
　この曲は入隊前 １９５０年代 の激しくシャウトするエルヴィスと １９６０年代 の落ち着いた大人のヴォーカリストのエルヴィス両方を楽しみめる １曲で２度おいしい柔剛合わせ持ったロックン・ロールの傑作曲です。
　エルヴィス・プレスリーは個人的には一番好きな歌手なので好きなところは、たくさんありますが一番の魅力は何と言っても声だと思います。
　エルヴィスを大好きだった 大滝詠一 が低音、高音を自由に操るエルヴィスのヴォーカルを エレベーターに乗っているときにワイヤーが切れて急降下するようなエレベーター唱法と言っていたのを思い出します。 このゾクゾクする感覚はエルヴィスを好きな人には良くわかると思います。
　シングル発売後に出演した フランク・シナトラ がホストを務める ＴＶショーの映像 が残っていますが軍隊にいただけあって入隊前より細身で精悍な感じでこの曲を歌っています。 入隊時にＧＩカットにした髪は、もみあげは短いですが、しっかりリーゼントに戻っていてアクション付のパフォーマンスは最高にカッコイイです。
　４月には同じセッションで録音した曲を含んだアルバム『 エルヴィス・イズ・バック(Elvis Is Back!) 』が発売されました。 ロックン・ロール、バラード、Ｒ＆Ｂ、ブルースと、この曲と同様の艶のあるエルヴィスのヴォーカルが堪能できる傑作曲揃いの名盤です。
(Jan 8, 2018)