Looking Back with Music

　世界最強のロックン・ロール・バンド＝ ザ・ローリング・ストーンズ のドラマー、 チャーリー・ワッツは元々ジャズ指向が強いことで知られていますが、 ストーンズから離れたソロ・ワークとして選んだのもやはりジャズでした。
　1991年にチャーリー・ワッツ・クインテット名義で発表した『フロム・ワン・チャーリー』(From One Charlie)は アルトサックス奏者でビ・バップの第一人者、 チャーリー・パーカー に捧げたもので以前に チャーリー・ワッツ・オーケストラ名義でライヴアルバム を発表していたものの リーダーでのスタジオ録音アルバムとしては最初の1枚になります。
　今回紹介する曲はそのアルバムのトップを飾った曲です。
　タイトルを日本後に訳すと、”練習、練習、最高に素晴らしい”のようになると思いますが、 曲もタイトル通り最初は音を出すのがやっとだったものが、 だんだんと上達していって最後には素晴らしいパフォーマンスになるというなかなかユニークな構成になっています。
　作曲したのはクインテットの実質的なリーダーでアルトサックスも担当しているピーター・キングです。
　アルバムを通して言えることですがピーター・キングのサックスは本家の演奏よりは荒々しさがなく洗練されている感じです。
　勿論チャーリー・ワッツのドラムもこっちが本職だと言わんばかりにスウィングしています。
　チャーリー・ワッツは、この後もストーンズの活動と並行してジャズ・アルバムを発表し続けています。
　ちなみにチャーリー・パーカーのあだ名であるヤードバードは エリック・クラプトン 、ジェフ・ベック 、ジミー・ペイジの3人のギタリストを輩出した ブリティッシュ・ロック・バンド＝ ザ・ヤードバーズ の名前の由来となっていて パーカーがロック界にも影響を及びしていることの一つの証と言ってもいいと思います。
　又、ジャズ好きで知られるクリント・イーストウッドが製作監督したパーカーの伝記 映画『バード』(BIRD)] も傑作です。
(Dec 25, 2016)