000018

ザ・ファビュラス・リトル・リチャード
The Fabulous Little Richard
リトル・リチャード
Little Richard

1958年発表

収録曲
1. Shake a Hand
2. Chicken Little Baby
3. All Night Long
4. The Most I can Offer (Just My Heart)
5. Lonesome and Blue
6. Wonderin'
7. She Knows How to Rock
8. Kansas City
9. Directly from My Heart
10. Maybe I'm Right
11. Early One Morning
12. I'm Just a Lonely Guy
13. Whole Lotta Shakin' Going on

 チャック・ベリー と並ぶロックン・ロールの大レジェンド=リトル・リチャードの ヒットチャート上での全盛期は1956年〜58年で、 録音自体は全てスペシャルティ・レコードで1955年〜57年に行われている。
 当時のロックン・ロール・アーティストのオリジナルアルバムは発売にあたり新曲を録音するというよりは、 それまでに発売したシングル曲や未発表曲を収録することが多かった。 なのでヒット曲が多いアーティストのオリジナルアルバムはベストアルバムのような趣さえする豪華な内容になったものもあった。
 リトル・リチャードの1、2作目のアルバム も、ご多分に漏れずヒット曲満載でそれはそれでいいアルバムだと思う。
 今回紹介するサードアルバムは運よく飛行機事故を免れたリチャードが信仰に目覚め? ロックン・ローラーからゴスペル歌手へと転身を図ってしまったため、 スペシャルティが急遽、まだ発表していなかった楽曲を集めて発売したものだ。
 結果的に既発売ヒット曲収録無しの未発表曲集になった為、派手さでは前2作に遥かに及ばないアルバムとなった。
 が、残り物には福がある?とは、正にこのこと、なかなかどうして聴きごたえのある作品になっている。
 1曲目は、女性R&B歌手 フェイ・アダムズ最大のヒット曲エルヴィス・プレスリーポール・マッカートニー などもカバーしている名曲。 リトル・リチャード張りのシャウトが聴けるリトル・リチャード・フォロワーの ポール・マッカートニー・ヴァージョン もGood!
 2曲目、曲自体はリトル・リチャードらしいロックン・ロールだが女性コーラスがオーバーダブされているので、ちょっと違う感じに仕上がっている。
 3曲目は、ミディアムテンポのR&Bでリトル・リチャードのヒット曲には、ないタイプの曲だ。
 4曲目、女性コーラスとリチャードの優しい?ヴォーカルがさらに今までと違った魅力のラヴ・ソング。
 7曲目は、ヒット曲的な作りではないが、やっと来たかって感じの、これぞリトル・リチャードと言うハードなロックン・ロール。
 8曲目は、ロックン・ロールの傑作を数多く輩出したジェリー・リーバーとマイク・ストーラー、コンビの作品で ウィルバート・ハリスンが最初にヒットさせた曲。 カバーもたくさん存在するが中でも有名なのは後半にリトル・リチャードのオリジナル曲「ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ」を繋げた『ビートルズ・フォー・セール 』に収録の ビートルズのヴァージョン だろう。
 先に、このアルバムを未発表曲集と書いたが 12曲目だけは例外でスペシャルティでのデビューシングル「トゥッティ・フルッティ(Tutti Frutti) 」のB面として発売済みの曲。
 そしてアルバムのラストを飾るのは、こちらもロックン・ロールのスタンダードになっている名曲だ。 最初にヒットさせたのはリトル・リチャードと同じくピアノのパフォーマンスが有名な ジェリー・リー・ルイス。 リトル・リチャードは、この曲を1964年にヴィージェイ・レコードで再録音している が、この時のバックのギターはブレイク前のジミ・ヘンドリックス (らしい)。 1971年の『エルヴィス・カントリー 』に収録のエルヴィス・プレスリー・ヴァージョン もカッコイイ!
 このアルバムは好きなアルバムだったが改めて通して聴いてみて前2作のアルバムがリトル・リチャードのトレードマークであるハードなロックンロールが収録曲の大半だったのと違い、 ロックン・ロール、R&B、バラードまで幅拾い内容でバランスがいいなと感じた。
 スペシャルティを離れたリトル・リチャードは宗教家となり一時的に宗教関係の曲しか歌わない時代もあったが、 その後はレコード会社を移りながら、多くのロックン・ロール、R&Bの名曲を残している。 (November 26, 2017)

[チャック・ベリー]
[ベスト・セレクション]
[リトル・リチャード]
[ファースト&セカンド]
[エルヴィス・プレスリー]
[後期の傑作アルバム]
[ポール・マッカートニー]
[原点回帰R&Rアルバム]
[ザ・ビートルズ]
[4thアルバム]
[ジェリー・リー・ルイス]
[サン・レコード音源]