Looking Back with Music

収録曲
1. Livin' Right
2. Some Kind of Blue
3. True Love
4. Can't Put Out This Fire
5. I did It for Your Love
6. Let's Pretend We're Still in Love
7. Working Man
8. Soul Searchin'
9. Two Hearts
10. It's Your Life
11. It's Cold in Here

　アメリカン・ロック・バンド＝イーグルス でのドン・ヘンリー と並ぶ２枚看板の一人、グレン・フライのソロ・アルバム第３弾です。
　オープニングを飾る「リヴィン・ライト」は頭からホーン全開のファンキーな曲で間奏のサックス・ソロもカッコイイです。 曲調は映画『ビバリーヒルズ・コップ』(BEVERLY HILLS COP) の主題歌として大ヒットした「ヒート・イズ・オン 」に、どことなく似ています。 シングルとしてスマッシュ・ヒットしました。
　2曲目「サム・カインド・オブ・ブルー」は前曲とは、うって変わって超メローな失恋ソングです。
　3曲目はシングル・ヒットした「トゥルー・ラヴ」。 ホーンのアレンジやキーボードの使い方にメンフィス・ソウルのハイ・サウンドに対するリスペクトが感じられます。 メンフィス・ソウルと言えば、 アル・グリーンの「アイム・スティル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー」(I'm Still in Love with You) も大好きな曲です。
　5曲目「フォー・ユア・ラヴ」は、未見ですけど映画『長く熱い夜』(AN AMERICAN MURDER) のエンディングテーマだけあって間奏のストリングスの使い方にスケールの大きさを感じます。
　次の「スティル・イン・ラヴ」はフィラデルフィア・ソウル・テイストの甘くポップな曲。 弾むようなリズムが印象的です。
　「ワーキング・マン」は映画『ハリー奪還』(LET'S GET HARRY) で挿入歌として使用されたようです。 ラスト11曲目がボーナス・トラックとして収録されるまでは、アルバム中で唯一のロックン・ロールでした。
　8曲目はアルバム・タイトル曲でソウルと言う言葉にフライのソウル・ミュージックへの熱い思いを感じます。 マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオで録音しただけあって ゆったりとしたテンポにキーボードの絡み具合が絶妙で、コーラスも印象的です。
　ラストの「イッツ・コールド・イン・ヒア」はミディアム・テンポのロックン・ロールで 元々シングル「ソウル・サーチン」のカップリング曲だったものが アルバムのＣＤ再発売時にボーナス・トラックとして追加されました。
　カントリー・ロック・バンドと言う印象が強かったイーグルス時代とは違い ソロになってからのフライはアルバムを発表するごとに自分のルーツとしている音楽である Ｒ＆Ｂやソウル・ミュージック色を強めて行ったような気がします。 そして、このサード・アルバムにはおそらく本当に演りたかった音楽を詰め込こみ タイトルにもソウルと言う言葉を選んだでつけたのではないでしょうか。
　今年(2016年)1月18日にグレン・フライは亡くなってしまいました。 67歳だったと言うことでニュースを聴いたときはとても残念に思いました。 (May 28, 2016)