Looking Back with Music

収録曲
1. Wired All Night
2. Sweet Thing
3. Out of Focus
4. Don't Tear Me Up
5. Put Me in the Trash
6. Use Me
7. Evening Gown
8. Mother of a Man
9. Think
10. Wandering Spirit
11. Hang on to Me Tonight
12. I've been Lonely (for So Long)
13. Angel in My Heart
14. Handsome Molly

　ローリング・ストーンズのリード・ヴォーカリスト＝ミック・ジャガーがゴージャスなポップ・ロック・アルバムという感じの ファースト 、バンド・サウンドを意識した作りながらやや消化不良っぽかった セカンド に続いて発表したソロ・アルバム第３弾。
　Ｒ＆Ｂの老舗レーベル、アトランティック・レコードから発売され、全体的には１９７０年代の ストーンズ ・サウンドを意識したような作りになっていて、なかなか聴きごたえがあります。
　１．「ワイアード・オール・ナイト」、ミックのカウントから始まる１曲目は正にストーンズを彷彿とさせるノリノリの大ロックン・ロール。
　２．「スウィート・シング」、お得意のファルセットのヴォーカルが 「ミス・ユー」(Miss You) にも通ずるダンス・ナンバーで、アルバムに先立って発売されて全英24位、全米84位のスマッシュ・ヒットを記録しました。
　３．「アウト・オブ・フォーカス」、ストーンズのアルバム 「メイン・ストリートのならず者」(Exile on Main St.) に収録されていても違和感がないんではないかと思わせるようなゴスペル風なイントロで始まる曲。
　４．「ドント・テア・ミー・アップ」、アルバムからのセカンド・シングル。歌詞や雰囲気に 「無情の世界」(You can't Always Get What You Want) が見え隠れしているかな。
　５．「プット・ミー・イン・ザ・トラッシュ」、ミックっぽいキレのいいポップなロックン・ロール、これはストーンズの世界とはちょっと違うか。
　６．「ユーズ・ミー」、ビル・ウィザースの１９７２年のヒット曲 のカヴァーで、レニー・クラヴィッツとのデュエット作。オリジナルにまけないぐらいファンキー。
　７．「イヴニング・ガウン」、しっとりとしたカントリー・バラード。 後にロックン・ロールのパイオニアの一人ジェリー・リー・ルイスが超豪華ゲストを集めて発表したアルバム 「ラスト・マン・スタンディング」(Last Man Standing) でミックとのデュエットという形で収録しています。しかもギターは ロン・ウッド 。
　９．「シンク」、ファンクの帝王＝ジェームス・ブラウン１９６０年のヒット曲 のカヴァー。オリジナルよりもロック色を強くし、ミックのヴォーカルも力強いです。
　１０．アルバム・タイトル曲。 叩きつけるようなリズムが印象的なロックン・ロール・ナンバー。 ギターのフレーズがエルヴィス・プレスリーのデビュー曲 「ザッツ・オールライト」(That's All Right) にちょっと似ている気がします。
　１２．「アイヴ・ビーン・ロンリー・フォー・ソー・ロング」、メンフィス・ソウルの フレデリック・ナイト のカバー。 オリジナルはファルセットで歌われていますが、ここでは地声とファルセットのダブル・ヴォーカルになっています。
　このアルバムの後、ストーンズの活動は別にしてソロアルバムとしては、ちょっと間隔があいて２００１年に 「ゴッデス・イン・ザ・ドアウェイ」(Goddess in the Doorway) を発表しています。 こちらも傑作だと思いますので、いずれ・・・。 (July 28, 2013)