Looking Back with Music

収録曲
1. Athena
2. It's Your Turn
3. Cooks County
4. It's Hard
5. Dangerous
6. Eminence Front
7. I've Known No War
8. One Life's Enough
9. One at a Time
10. Why did I Fall for That
11. A Man is a Man
12. Cry If You Want

　1978年にロック界最高のドラマー、 キース・ムーン が死に、後任としてモッズバンドとしてフーのライバルでもあった 元スモール・フェイセスの ケニー・ジョーンズを迎えての２作めになり、 2006年に「エンドレス・ワイヤー」(Endless Wire) が発表されるまで長い間ラスト・アルバムとなっていました。 　ラスト・アルバムであるということ以外はあまり語られることのないアルバムではあるけれど 好きな曲もいっぱいあるので紹介します。
　１曲目は米英でシングルカットされてスマッシュヒットしたポップな曲です。 ロジャー・ダルトリーとピート・タウンゼンドがヴォーカルを分け合っています。 "She's a bomb"(彼女は、爆弾だ)という歌詞が出てきますが、題名のAthenaとは女性の名前で、映画 「トロイのヘレン」(Helen of Troy) などにも話が登場するギリシャ神話の戦争の女神（アテネの守護神でもある）アテナをイメージしていると 思われます。
　4.はタイトル・トラックで、ドラマチックな展開は、これぞフーという感じです。
　6.「エミネンス・フロント」はピートがボーカルをとるディスコ・サウンドといってもいい、 今までのフーにはなかった曲調で発売当時は賛否両論 （どちらかというとフーらしくないとかいう否の方が多いか？）あった曰く付きの曲です。 アメリカではシングルとしても発売されました。 エンディングがカッコイイ！！
　9.「ワン・アット・ア・タイム 」は ジョン・エントウィッスル （彼も2002年に亡くなりました）が作り自身でボーカルもとった曲です。 イントロのホーンからしてジョンらしい、ひねりのきいたロックで、中々聴きごたえがあります。
　10.「ホワイ・ディド・アイ・フォール・フォー・ザット 」は ミディアム・テンポのポップないい曲です。
　バラード曲「ア・マン・イズ・ア・マン 」を挟んで、 ラストの「クライ・イフ・ユー・ウォント 」では全盛期を思わせるピートのギターがフェイドアウトして 最後を飾ります。
　全体的には、全盛期（キース・ムーンのいた頃）と比べれば、正直、 パワーは落ちていると言わざるを得ないですが、個々の楽曲はカッコイイし、聴きどころも多いと思います。
(Aug 24, 2011)