Looking Back with Music

収録曲
1. Band on the Run
2. Jet
3. Bluebird
4. Mrs. Vandebilt
5. Let Me Roll It
6. Mamunia
7. No Words
8. Picasso's Last Words (Drink to Me)
9. Nineteen Hundred and Eighty Five

　バラエティー豊かな曲が揃った、しかもはずれが1曲もない メロディー・メーカー＝ポール・マッカートニーのいい所が詰まったアルバムです。 　特に１曲目、２曲目は素晴らしいの一言です。
　ウィングスはメンバー交代の多かったバンドですが、 このアルバムはオリジナルメンバー３人だけというウィングスとしては最小構成でほとんどの曲を収録しているにもかかわらず バンドのアルバムという雰囲気も充分に感じます。
　1.「バンド・オン・ザ・ラン」はスローな導入部からＲ＆Ｂ風になったと思ったらオーケストラをはさんで フォーク（カントリー）ロックまで１曲で盛りだくさんのアルバムを代表する傑作曲です。
　2.「ジェット」は超カッコイイ、ミディアムテンポのロックン・ロールで、 ジェッツのツを伸ばすところが印象的です。
　3.「ブルーバード」は小品ぽいですが、これもある意味ポールらしい曲です。
　5.「レット・ミー・ロール・イット」は ジョン・レノン が演ってもカッコイイだろうなと思うロッカ・バラードです。 ポールのボーカルもなかなか味があります。
　8.「ピカソの遺言」、ポールは ピカソ のファンで彼の死を知って作ったらしいです。 途中でテンポを変えながらアルバムの他の曲フレーズを使ったりしています。
　9.「西暦1985年」は「1985年には誰もこの世に生きていない」と言う女の人のことを歌っています。 アルバムのフィナーレにはタイトル曲のリフレインが流れます。
　アルバムジャケットはタイトルに引っ掛けて脱獄して逃げるイメージだと思いますが、 ドラキュラ映画 で有名なイギリスの名優クリストファー・リーや 「荒野の七人」(The Magnificent Seven) などのジェームズ・コバーンの顔も見えます。
　次作「ヴィーナス・アンド・マース」(Venus and Mars) では編成も５人になり各メンバーがリードボカールを担当するなど、よりバンドサウンドを強化して行きます。
(November 3, 2010)